1/72ウルトラホーク1号 55周年記念パッケージバージョン
プロモデラー・更井廣志氏による作例を公開!
 

     
 
 ・このページの「1/72ウルトラホーク1号 55周年記念パッケージバージョン」の画像は組み立て・塗装したものです。

フジミ模型から発売されている「1/72ウルトラホーク1号 55周年記念パッケージバージョン」

このたび、塗装作例を製作してくださった月刊ホビージャパンで活躍中のプロモデラー、
更井廣志氏に本キットの魅力や組み立て・塗装のコツなどを伺いました。
 
   
 
   
ーー 今回、「ウルトラホーク1号」を組んでみて、キットの印象はいかがでしたか?

更井:
パーツ数が少ないので組み立てるだけならすぐ出来上がりますし、大きいので素組みだけでも十分見映えがするキットだと思います。大きなキットということは各パーツの面も大きいので初心者の方が塗装に挑戦しやすいという側面もあると思います。
このキットには大判のデカールも付属していますので、機体に銀色を塗装してデカールを貼るだけでも完成度がぐっと上がりますし愛着も増しますので、今まで塗装なんてしたことがないよって人もぜひ挑戦してみてほしいですね。
 
 
 
   
   
ーー きれいに作る、あるいは作例のようにかっこよく仕上げるコツみたいなものはありますか?

更井:
きれいに仕上げるのならエアブラシやスプレー缶を使って機体を均一に銀色に塗り、付属のデカールを機体の曲面になじませながら貼りこむのがいいと思います。大きなデカールなので一度でキメようとせず、マークソフターなどでなじませてヨレやシワを延ばしつつゆっくりじっくり丁寧な作業を心がけるのがきれいに仕上げる秘訣です。

あと、このキットはファンにはお馴染みかと思いますがα号、β号、γ号の3機が合体した機体で、組んでみるとβ号とγ号の合わせ目が側面にがっつり出るんですが、その合わせ目をきれいに消してあげると完成度や見映えがまたぐっと上がりますよ。ちなみに合わせ目の消し方にもいろいろありますが、私の作例では接着剤をパテ代わりに合わせ目の上に盛り、固まってから削ってやすりをかけて機体面に均して消しています。

それと、接続ピンは少し削っておくと接続パーツの組み替えがしやすくなるのでおススメですね。

   
 
 
 
   
ーー 更井さんの作例はどのように塗装されたのですか?

更井:
私が作った今回の作例はきれいな仕上げにするのではなく、ウェザリングという技法などを使ってあえて“汚し”を施すことによりリアリティを追求したものです。

白いライン等もマスキング作業が大変でしたがデカールではなく塗装で仕上げています。隊章などのマークはデカールを使わせていただきましたけど(笑)

手順としては大まかな色分けはエアブラシで塗装した後で、細やかに汚し塗装を入れていく感じです。ちなみに機体の汚し塗装に使った塗料のひとつはMr.ウェザリングカラーフィルターリキッドのシェイドブルーなのですが、銀色の機体ですのでブルー系の陰影やスミイレで飛んでいる空の色を反射している雰囲気を出すと同時に、幅広の平筆で筆目をあえて残して飛行時の前から後方へ流れる気流を感じさせるように工夫しました。

また表面だけでなく細かいパーツ部分にも汚し塗装をしており、たとえばリアのバーニア部分にはクリアブルーやクリアイエローを使って焼け表現を施して機体がより魅力的に見えるようにしています。

全体的な金属感の再現に加えて各部分の使い込まれた質感の再現をバランスよく施していくことでよりリアルな迫力や魅力が出るようにがんばったのでぜひ注目してほしいポイントです。
 
 
 
   
   
ーー おススメの塗料や道具などがあれば教えてください。

更井:
大きい面を塗装するのでやはりスプレー缶やエアブラシがあると便利だと思います。個人的にはエアブラシ推しですね、スプレー缶は手軽な反面、初めてだときれいに塗るには少し練習が要るかもしれません。

私の作例のように汚し塗装をするなら先ほど話にも出たMr.ウェザリングカラーやガンダムマーカーリアルタッチマーカーは使いやすくておススメです。

今回使った塗料全部となるとたくさんあるので細かい色レシピと塗装手順はまた別途メモにまとめますね(末尾に掲載)

 
 
 
   
ーー これから作ってみたいもの、挑戦してみたいキットなどはありますか?

更井:
挙げきれないくらいたくさんありますが(笑)、たとえばフジミ模型さんは今回の「ウルトラホーク1号」と同じ1/72というビッグスケールで「ウルトラホーク2号」と「ウルトラホーク3号」も揃って出されていますよね。機会があったら全機全部を作って並べられたら圧巻だろうなあとそそられています。

あと、55周年記念シリーズでは1/24「ポインター」という非常に優秀なキットもラインナップされているので、あれも個人的には是非作ってみたいですね。

  
 
   
     
ーー なるほど、今日は貴重なお話を本当にありがとうございました。

   
  (塗装レシピ) 


◯塗装は基本すべてエアブラシ。

グレーサーフェイサー→シルバー→Exホワイト

黄色(黄橙色+黄色)

赤(レッド)

青(ブルー+色の素マゼンダ)

黒(ブラック)

ガンメタ(黒鉄色)

ガンダムカラーMSグリーン(コクピット内部色)

グリーンFS34227(シート)(ここのみ筆塗り)

◯バーニアは金属の焼け表現として ガンメタ →シルバー→クリアーイエロー→クリアーブラウン →クリアーブルー

◯機体全体のウェザリング

基本塗装終了後パネルラインに沿ってスモークグレーを細吹き→デカール貼り→デカールにクリアーコート→Mr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッドシェードブルーで全体をウォッシング(この時は幅の広い平筆を機体前方から後方に向けて)同時にスミ入れも出来る。

仕上げにピンウォッシュとしてMr.ウェザリングカラー フィルタ・リキッドシェードブルー+Mr.ウェザリングカラーグランドブラウンやガンダムマーカー リアルタッチマーカー リアルタッチグレー1・2やリアルタッチブラウンでスミ入れ。

なお黒や青のスミ入れには淡いグレーに調色したMr.ウェザリングカラーを使用。

注意点として、シルバーはマスキングテープの剥がした跡が残る場合があるので出来ればマスキング作業前にクリアーコートした方が良い。
 
 
   
   
       
 

更井廣志(さらい・ひろし)

月刊ホビージャパン誌にて活躍中のプロモデラー。
ウェザリングマイスターと称される氏の作例はそのとおり美しく汚し塗装が施され、目にするモデラーたちの羨望の的となる。他にも模型、玩具メーカーの原型、ペイントマスターやジオラマ製作など活動範囲は多岐に亘る。
 
 
 
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